TRACERY Lab.(トレラボ)

TRACERY開発チームが、要件定義を中心として、システム開発で役立つ考え方や手法を紹介します。

V字モデルの各レイヤー(プログラミング、コードレビュー編)

シリーズ: システム開発の基礎

TRACERYプロダクトマネージャーの haru です。

この記事ではV字モデルのレイヤーのうち、「プログラミング」プロセスと「コードレビュー」プロセスについて説明します。

V字モデルの各レイヤーの説明は以下の記事を参照してください。

tracery.jp

V字モデル上の「プログラミング」と「コードレビュー」

プログラミングコードレビューは、V字モデルの底に位置し、ソフトウェアの設計を実際のコードとして具現化するプロセスです。

V字モデルの底にあることが示すように、プログラミングとコードレビューはソフトウェア開発全体の品質を支える土台です。

以下では、V字モデルにおける「プログラミング」と「コードレビュー」の関係や重要性について解説します。

V字モデル上の「プログラミング」プロセスと「コードレビュー」プロセス

プログラミングプロセスとコードレビュープロセス

プログラミングでは、設計で定義された仕様に基づき、ソフトウェア本体のコードや単体テスト(UnitTest)のテストコードを実装します。

ここで作られるコードは、ソフトウェアの価値と品質を最も直接的に形づくる成果物であり、プログラミングは開発の成否を左右する中核的なプロセスといえます。

コードレビューは、その成果物を第三者の視点でコードを査読し、設計意図との整合性、可読性、保守性、命名や責務分離の妥当性といった内部品質の観点から検証するプロセスです。

手動テストやUnitTestは、外部仕様どおりに動作するかを確認するブラックボックステストですが、コードレビューはソースコードの構造や設計意図を直接確認するホワイトボックス的な品質保証活動です。

コードレビューで欠陥を早期に発見することで、結合テストやシステムテストなど後続プロセスでの手戻りを防ぎ、結果として開発の安定性とチーム全体の生産性を高めます。

プログラミングプロセスとコードレビュープロセスの対応

コードレビューが果たす役割

コードレビューの目的は、単なる不具合の検出にとどまりません。

レビューを通じて設計思想を共有し、チームの文化を育てることにもつながります。

他者のコードを読む経験は、開発者の理解を深め、属人化を防ぎ、チーム全体の開発力を底上げします。

コードレビューによって問題のあるコードを早期に修正出来ます。それ以上に、コードレビューをしてもらうという意識を持ってコーディングすることで、単に動けばよいという意識でコードを書いてしまう問題を防ぐことが出来ます。

コードレビューは「作るプロセス(Make)の質」を高める仕組みといえるでしょう。

最後に

本記事では、プログラミングプロセスとコードレビュープロセスの関係について解説しました。

今日、多くの事業はソフトウェアによって支えられています。ソフトウェアの品質を高めることは、事業の信頼性・継続性・競争力を維持する経営活動そのものです。品質が損なわれれば、顧客離れや開発コストの増大、さらにはサービス停止といった経営リスクに直結するからです。

コードは、ソフトウェアの価値と品質を最も直接的に形づくる成果物であり、ソフトウェアの本質はソースコードにあります。

コードの品質が低ければ、機能追加や改修のたびに不具合が再発し、システム全体の安定性を損ないます。結果として、組織のスピードと信頼の両方が失われます。

コードの品質を高める最も有効な手段が、コードレビューです。レビューは単なる不具合検出の仕組みではなく、開発者同士が知見を共有し、設計思想や品質基準を組織全体に浸透させる技術的学習の場でもあります。

このように、経営の観点から見てもコードレビューは非常に有効です。

まだコードレビューを実施していない組織は、ぜひ導入を検討してください。

次回は、V字モデルの左辺の各プロセスの関係性(トレーサビリティ)について説明します。

この記事を書いた人
haru

佐藤治夫。株式会社ビープラウド代表取締役社長。TRACERYのプロダクトマネージャー。エンジニアとして活動を始めて以来、モデリングを中心としたソフトウェアエンジニアリングを実践している。Xアカウント: https://x.com/haru860