TRACERYプロダクトマネージャーの haru です。
SBクリエイティブ株式会社が運営するビジネス+IT様にアジャイル開発に関するインタビューを受け、その内容が公開されました。
インタビューの背景と課題
本インタビューは、「アジャイル開発はどのようなときに失敗するのか?」という問いから始まりました。
アジャイル開発に限らず、開発チームが失敗し、深刻なダメージを受けるのは、次のようなケースです。
- 不要な手戻りによる工数の増大
- 運用後に発覚する致命的な不具合
- 機能追加や改修時に発生するデグレード*1
- ステークホルダーとの信頼関係が築けず、合意形成が困難となり、プロジェクトの中止や凍結に至る
こうしたリスクをいかに抑え、継続的に価値を届けられる体制を築けるか。
成功する開発の土台は、目の前の課題に追われるのではなく、長期的な視点で全体の最適化を図り、日々のチーム運営やプロセス設計に反映し続けることにあります。こうした積み重ねが、変化に強く、価値を持続的に届けられる体制を生み出します。
こうした課題を踏まえ、アジャイル開発を軸に、開発における意思決定のバランスの取り方や、チーム体制の構築についてお話ししました。
記事の内容
記事は前編、中編、後編に分かれています。
前編:なぜ、アジャイル開発で「失敗ばかり」するのか?「誤解だらけ」の4つの価値とリスク
- アジャイルソフトウェア開発宣言が掲げる「4つの価値」
- アジャイル開発でよくある「誤解とリスク」
- 「規律」と「柔軟性」が超重要
- アジャイル開発の「成功ポイント2つ」
中編:大成功する「アジャイル開発体制」は何が違う?「引継ぎゼロ日」も可能な組織化の勘所
- なぜ、それほど「体制づくり」が重要なのか?
- アジャイル開発で特に重要な「2つの役割」
- アジャイル・ウォーターフォール、人物像の「違いと共通点」
- 「品質意識」を備える人材の「採用と育成」の勘所
- 経営層が理解すべき、開発で「最も重要」な視点
- アジャイル開発の「成功ポイント」まとめ
後編:アジャイル開発はなぜ必要なのか…「もし無かったら」経営と開発現場はどうなった?
- アジャイル開発普及の裏にある「エンジニアの切な願い」
- DXも普及を後押し
- アジャイル開発の「3つの特徴」
- もしアジャイル開発が「無かったら」……
- アジャイル開発が「人間的な側面」に光を当てた
最後に
アジャイル開発は、単なる手法ではなく、チームの姿勢や意思決定のプロセスそのものが問われます。
今回のインタビューでは、現場で起こりがちな誤解と、その乗り越え方について、具体的な視点からお話ししました。
アジャイル開発を一通り学んだうえで、「実際の現場でどう活かせばよいのか」と疑問を抱いている方にとって、ヒントとなれば幸いです。
*1:既存の機能や品質が、改修や変更によって意図せず悪化してしまうこと。日本の開発現場では「デグレ」とも呼ばれる